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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第7章 異な国


しばらく歩き 大きく豪華な扉の前に立つと

ギギギッ
重苦しい音と共に扉が開く
中に入ると広間があり その中心まで連れてこられて座らされた。




「連れて参りました 我が王よ この娘が 今度の供物 100人目の生贄でございます」

「顔を あげて見せよ」


鎖を掴んでいた者がベールを取ってくれた
真っ直ぐ前を見据えると目の前には大きな玉座がありそこに座る大きな黒い影


「今回の生贄は今まで見たこともない黒髪と黒い瞳を持っていますが…何よりも貧相でございますな
この様な娘を食らわれても何の糧にもなりますまい この娘はせいぜい…」


『なんかとっても
失礼じゃないですか 犬の人』

「いっ…⁉ 犬とはまさか…このアヌビスのことか⁉」

『アヌビスさんって言うんですね、キリトに似てるのに全然優しくないです!
それに、そこそこ肉はついているので食べるところぐらいはありますよ!』

ア「きりと?…ハッ…この無礼者‼王の御膳で勝手に口を開くな‼」

王「…構わぬ お前は下がれアヌビス」

ア「し…しかし王 こやつ」

ピクッ…
王様の眉間にシワがよったと思ったら一気にその場の空気が変わった気がした

ハッ…
ア「い…いえ…私は…」
アヌビスは冷や汗をかきながら言葉をつまらせ


"ヴォオオン"
ビシ ビシッ
重苦しい風が吹き抜け周りの壁や柱にヒビが入った

王「…誰に口答えしている! 私が下がれと言ったら下がれ!」


ア「お…お許しください 失礼致しす…」

アヌビスは冷や汗を流しながら退室してしまった。


『ビックリした…お城が壊れちゃうよ?』

あちこちヒビが入った所を見ながら言うと

王「娘…他の者と同じように泣き叫んで命乞いをすればいいだろう 虚勢を張るのもいい加減にしろ」

王様は玉座から近寄ってきて アタシの首に爪をかけた

王様の姿がはっきり見えてくると ライオンの様な姿だった
百獣の王は伊達じゃないんだ…
なんて思いながら王様を見てると 首にかけられた爪に力が入った

ぷにっ…

ぷにって何ですか!
首には鋭い爪が添えられているのに
頬に当たっているのは柔らかいぷにぷにの

肉球♪
しかも 腕の毛並みもふさふさして柔らかくて気持ちいい…
思わずすり寄ってしまった


王「貴様…」



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