第1章 *
「みんなって彼氏いたこと…あるの…?」
瞬間一刀両断され私のガラスのハートは粉々に砕け散ったが、次に驚くのは友人達だった。私は未だかつて男性とお付き合いしたことがない。良い雰囲気になったり、告白されたことは数少ないがある。でも、私から返事をする前に向こうから「やっぱり無かったことしてくれ!」と懇願されるのだ。いったいどういうことかサッパリ分からないが、そんなことが続くうちに男性陣から話しかけることも減ってきてしまった。目が合ってもそれとなく逸らされたり、話題に加わろうとすればその場はお開きになったり。たぶん嫌われているか、きっと生理的に受け付けないか、などと落ち込んでいるのが現状なのだ。
そんなわけで自分に自信なんて全くなく、今後も彼氏が出来る予感などまるで無し。しかし私以外の三人は少なからず男性と付き合ったことがあると知ってしまって、地味にショックを受けた。私なんて、最近じゃ父か弟くらいしかまともに異性と話してないというのに!
「ちょ、元気出してって!」
「大丈夫だよ。焦る必要なんかないって」
「結構可愛い顔してるから自信持って!」
「ううう…」
思わず涙目になる私に必死で友人達は慰めてくれるが、そうは言われても現状が現状なのだからどう頑張っても前向きには考えられない。ひたすらどんより落ち込む私に、友人は明るい声で言う。