夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第7章 ハピバ!
「それじゃあ、始めますか」
松潤が声を掛けるとみんなグラスを手に持つ。
「乾杯の挨拶は誰がするの?」
相葉くんがキョロキョロ見回す。
「そりゃ翔さんでしょ、年功序列ですよ」
「そんな決まりあったっけ?」
いつも何かある時の挨拶は智くんだけど。
「いいえ、ないです…でも今日は大野さんの誕生日なんですから翔さんがどうぞ」
それもそうだな、本人が挨拶したら可笑しいし。
「ん、じゃあ智くん37才のお誕生日おめでとう!智くんのお母さん、いつも生んでくれてありがとう!乾杯っ!」
「カンパーイ!」
みんなでグラスを合わせ一口口に含む。
「うんめぇ、このワイン!」
智くんが珍しく大声をあげた。でも確かに旨い、このワイン。
「だろ?リーダーに喜んで貰いたくてわざわざ取り寄せたんだ、リーダーの生まれ年のワイン」
「マジで⁉高かったろ?」
「まあそこそこね…料理も食ってよ、俺がよく行くイタリアンの店なんだけど今日は頼んでテイクアウトにして貰ったんだ」
「「いただきま~す」」
オードブル、サラダ、パスタ、肉料理…どれもみんな美味しい。
「旨いよ松潤、お前やっぱいいもの食ってんなぁ」
「ありがと、翔くんにそんな風に言って貰えるなんて嬉しいよ」
松潤はそう言うと俺の肩に手を掛け頬にチュッとキスをした。
「何してんだよ!」
「え?誉めて貰えて嬉しかったからお礼のキス」
「そんなことしたことないだろ!」
「したことなかったら今日からしたらいいじゃん」
なんだその発言?今まで飲みの席だってこんなことしたことなかったじゃないか。
「お前酔ってんの?」
「酔ってないよ?まだそんな飲んでないじゃん」
「だよな…」
松潤がこんな行動起こすなんて意外過ぎるんだけど。