夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第5章 いま愛を語ろう
「でもこの先は俺は手伝えないからね?自分で何とかしてよ?」
「わかってるよ…焦らないようにしてるけど、キツい時あるよ。さっきのVTRだって手振り払われたし」
「あれはしょうがないでしょ?カメラの前なんだから」
「そうだな…」
カメラの前だから笑い話ですんだけど、実際2人きりの時、あの台詞を言って手を振り払われたらおもいっきり凹むだろうなぁ。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか翔くんは俺の部屋に遊びに来ると前よりも可愛さを倍増させてきた。
座る位置が前より近い…ソファーに座っていても俺から近寄らないと一人分隙間を空けて座っていたのに最近は甘えるように俺に凭れ掛かってくる。
こんなにすぐ手の届く位置に居られたら俺の理性なんてそうそう持たないぞ?
我慢を強いられる日々、ある日翔くんが哀しそうに聞いてきた。
「智くん…俺の事本当に好きなの?」
目を潤ませ俺を見上げる。
「好きに決まってるじゃん、なんで今更そんな事聞くの?」
翔くんは俺から視線を外し俯いた。
「…だって、キス以上してくれない…」
小さい声で呟く翔くん。もしかして翔くんもキスから先を望んでいてくれたの?
「翔くんごめん、俺翔くんはキス以上進むのが嫌なのかと思ってたから」
「なんで?普通好きな人に触れて欲しいと思うでしょ?」
「でも、俺たちは男同士だから」
「そんなの関係ないよ…確かに少し怖いけど、でも好きな人と愛し合いたいと思うのは当然でしょ?」
大きな瞳を潤ませ俺を見つめた。