夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第4章 wish
廊下を歩いて行くとトイレから出てきた相葉さんに遭遇した。
「あ、相葉さん」
「あれ?ふたりともまだ楽屋に帰ってなかったんだ」
「うん、ちょっとニノに質問されてた」
「ニノに質問?珍しいね」
「相葉さんにも聞いていい?」
「え、なに?ニノから質問なんて答えられるかなぁ」
「そんな難しい事じゃないよ、相葉さんの今の悩みは何?」
「今の悩み?」
う~ん、と首を捻りながら相葉さんが考える。
「ない…」
「ない?」
「うん、ない…強いて言えば仕事忙しくて大変ってことだけどそれってありがたい事だから、贅沢な悩みだよね」
相葉さんらしい。俺が相葉さんの仕事量こなしてたら絶対文句言ってるよな。でも仕事の量かぁ…翔さんも凄い量の仕事してるけど、翔さんがそんなことで悩むとは思えないしなぁ。
「他にはないの?」
「ん~、ない…今のだって強いて言えばだもん」
「そっか、わかったありがとう…」
「なに?どうしたの?ニノ」
「翔くんが何か悩んでるから原因探してるんだとさ」
「原因?そんなの決まってるじゃん」
相葉さんが当然の様に言うから少し驚いた。相葉さんでさえ気が付いてるのか。
「相葉くん、それ言わない方がいいと思う」
「え、なんで?」
「だってほんとにそれで悩んでるのかわからないし、もし違かった場合相手に期待させて落ち込ませる事になる」
「あぁ、そうだね?ごめんニノ…俺からは言えないや」
「わかったよ、でもみんな思い当たる節はあるんだね…」
俺よりも他のメンバーの方が翔さんの事、理解してるんじゃん…俺は翔さんを好きでいる資格もないのかな。