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夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》

第4章 wish


「おはようございます」

「おはよ、ニノ…どうかしたの?」

「なにが?」

「いや、なんか難しそうな顔してるから」

ぼーっとしてるようでちゃんとメンバーの事を見てる大野さん。やっぱりリーダーなんだよなぁ。

世間のイメージ通りダメダメな人間だったら俺も望みがあるのに、大野さんには何一つ勝てる物がない。

歌も、躍りも勝てない…俺だってそこそこやれてる自信はある。指先の器用さだって、演技だって定評はあるけど大野さんは何事もさらっとこなしちゃうんだよな…

俺みたいに陰で努力してる訳じゃない。天才ってほんとにいるんだと思わせる存在…そんな人に敵うわけないじゃん。最初から勝負なんて見えてんだよ…

「あぁ、翔さんが寝てたから具合悪いのかと思って体調聞いてたんだよ」

「え?翔くん具合悪いの?」

翔さんの頬を両手で包み心配そうに翔さんの顔を見る大野さん。

「智くん、大丈夫だよ…ちょっと眠かったから寝てただけ」

翔さんが大野さんに笑顔を見せる。綺麗な笑顔だな…さっきの笑顔とは大違い。

ホッとした様子で大野さんが翔さんの頬から手を離した。

「あんまり無理するなよ?翔くん」

「うん、ありがと…」

笑顔で翔さんの頭を撫でいつもの席に向かう大野さん。

ほんとにお似合いのふたり…俺が入り込む隙間なんて無いんだ。
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