第237章 White special day　― 武将＆姫 ―

＜佐助の場合＞

「くらぶ乱世ってよく皆さん納得したね」

舞は隣に座った佐助に杯を出され、酒を注いでもらいながら言った。

「名前はともかく舞さんをもてなそうって言ったらわかってもらえたよ」

注がれた酒を少し口にしながら舞は「気にしなくて良いのに…」と笑顔を見せる。

「あ、ほら、見て。踊りが始まるよ」

部屋の隅に控えていた琴や琵琶が音を出すと、優雅に踊り手が扇と着物の裾を揺らめかせて踊りを披露し出す。

「なんていうか色っぽくて優美ね」

杯を置いて膳の料理を口にしながら踊り手を見つめる舞に、佐助はその様子を見ながらちょっと拗ねたように言う。

「舞さんはああいう踊りが踊れる人が好みなの？」

問われて舞は目をぱちくりとまたたかせる。

「そういう訳じゃないよ。ただ私は踊れないから、ああいう風に踊れたら素敵だなって」

その言葉に少し安堵したような様子の佐助に、舞はふふ、と笑う。

「やきもち妬いてるの？佐助くん。それなら杞憂だよ？私は佐助くんが好きだもの…」

「…舞さん、もしかして酔ってるの？」

佐助の言に首を左右に振りつつ、舞は佐助の耳元で囁く。

「酔ってるかも…ね、佐助くん、今夜は私の面倒、見てくれる？」

佐助はその大胆な言葉に参ったと言わんばかりに首を左右に振る。

「全く、きみには敵わないな」

そして佐助は、酔った舞の介抱と言いながら、佐助を求める舞と肌を触れあわせていくのだった。


＜終＞