<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第23章 ためいき ― 幸村&佐助 ―
「また、どうぞ」
仲良く去っていく二人を見て、恋仲な二人の姿も良いもんだな、と、ふと思う。
「真田選手、恋仲の二人を見て、良いなぁと思っているようです」
突然、すぐ近くから棒読みの台詞が聞こえた。
「…何、言ってんだよ、佐助」
俺の唯一のトモダチ、猿飛佐助。
上司はお互い違うけれど妙に気があうヤツ。
「勝手に人の心の中を作って、しゃべってんじゃねー」
佐助に言ってやるが、佐助はどこ吹く風といった体で、俺の言った事なぞ気にしない。
「そういう表情してたから」
「どういう表情だよ」
憮然として佐助を見る。
「恋仲って良いなあって顔さ」
「そんな顔してない」
「真田選手、照れてます。本当は良いなあと思ってます。ひゅーひゅー」
「思ってねぇよ」
用も無いのに、佐助が俺のところに来るはず無いので、めんどくさい、と話題を変える。
「ところで、どーした?」