• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第23章 ためいき ― 幸村&佐助 ―


俺は安土城下の市で行商をする。

行商は隠れ蓑で、実際は安土を調査する身だ。

行商の品はおんなものの小物。

勿論、俺が調達したんじゃない。

俺の、おんな好きな上司が用意したんだ。

「この櫛、見せてもらって良い?おにいさん」

「どうぞ」

ややぶっきらぼうに答えるが、娘はニコっとしながら櫛を手にし、結い上げた髪のあちこちに挿す真似をし、一緒にいた恋仲らしいおとこにその姿を見せる。

「ねぇ、どう?」

「悪くねぇ。だが、俺はこっちが似合うと思うぜ」

男は別な櫛を手にし、娘の髪に当てて満足そうな笑みを浮かべる。

「そう?じゃあ、貴方が選んでくれたほうにする」

「にいさん、これ、頼む」

「はい」

おとこから櫛を受け取り、紙に簡単に包む。

銅貨を受け取り、櫛を渡す。
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp