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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第224章 動きだす恋 ― 姫&蘭丸 ―


「それくらいなら良いよ。蘭丸くんの誕生日に出掛けられるのかな?」

私が蘭丸くんのお願いを受け入れたので、蘭丸くんはぱっと表情を明るくし、満面の笑顔を見せる。

「信長様にお願いする。舞様と出掛けられる日なんて、なかなか無いから」

まだ数日あるから、一緒に出掛けるだけでなく、何か贈り物を作れそう、何にしようかな。

私も自分でくすりと笑みをこぼし、それを見て蘭丸くんは表情を可愛いものから、何というか妖しい笑みに変えた。

「舞様も俺と出掛けるの嬉しいの?それなら俺、期待しても良いのかな?」

何を期待するのかな、でも私は深く考えもしなかったし、プレゼントを期待しているのかくらいにしか思わなかった。





誕生日当日は晴れて私と蘭丸くんは、近くの湖で散歩に行き、途中買い求めたおまんじゅうを二人でほおばった。

「甘さがちょうど良くて美味しいね」

二人でそんな事を言いあいながら食べていると、蘭丸くんがこちらを見て言う。

「舞様、口元に餡がついてる」

え、どこ、と自分の指でそれをぬぐおうとしたけれど、それより先に蘭丸くんの顔が近付いてきて、ぺろりと私の口の横を舐めた。

「え…え…え…?」

何が起きたのかわからず慌てる私に、蘭丸くんは余裕のある笑みをこちらに向けた。

「舞様、俺の事、嫌い?」

突然聞かれた質問に、私は混乱する。
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