<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第221章 陰陽師のひみつ ― 光秀&姫 ―
光秀の言い方に舞は少しむっとする。
「鈍感とかそんな言い方、ないじゃないですか」
「その通りだから仕方ないだろう。いいか、ここは俺と妻の寝所に使う予定の部屋だった。そこへおまえが閉じ込められ、俺が助けにきた。つまりは朱雀は、俺とおまえが同衾する事を望んでこういう事を仕掛けたのだ」
「…どっ、どうきん!」
驚いた舞は声をあげる。
「ほう…同衾の意味はわかっているようだな」
からかうような声音の光秀に、舞は顔を赤くして答える。
「知っていても知らなくても、光秀様には教えませんっ」
「そうか、でも、どうする?」
にやりと笑みを浮かべて光秀は言い、舞はきょとんと問い返す。
「何ですか?」
「俺はおまえと同衾しても良いと思っているのだがな。朱雀はご丁寧に寝所の用意もしているぞ」
光秀の目線を辿ると、一段高くなったところに、確かに御簾の向こうに寝具が用意されているような様子がみてとれた。
「すっ、朱雀ったら何を考えてるの…」
益々赤く顔を染める舞に、光秀は妖艶な笑みを浮かべたまま舞に近寄る。
「あそこまで俺が抱いて連れて行ってやろう」