<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第214章 風邪 ― 秀吉&姫 ―
「ま、風邪は寝ているに限るから悪いが俺はひと眠りしよう。舞にうつすと大変だから、俺から早く離れたほうが良いぞ」
俺は横になりながら言うと、舞は布団を掛け直してくれる。
「ああ、ありがとうな…舞」
俺は部屋を出ていこうと立ち上がった舞の名を呼ぶ。
「ん?何?秀吉さん」
振り向く舞に言う。
「俺の風邪が治ったら、確かめたい事があるんだ。協力してくれるか?」
「うん、私で出来る事なら何でも言ってよ」
舞の言葉に俺は横になったまま小さく笑う。
「よし、じゃあ、おまえの肌を確かめるからな」
「え?何、それ?どういう事?」
目をぱちくりさせる舞に、俺はひっかかったな、と内心思う。
「おまえから何か良い香りがするんだよな。風邪が治ったらその香りがどこからするのか、おまえの肌を確かめようと思ってな」
「な、な、な、何を言ってるの、秀吉さん、そんな事言ってないで早く寝て!」
舞は途端に顔を赤くして慌てふためき、その様が可愛くて、俺はまたしても笑う。
「早く良くなるから、おまえを抱き締めさせてくれよ?」
「もう!わかったから」