<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第21章 イケメン戦国英雄伝説序章 ― 全武将 ―
「はい、こういう事です」
佐助は持ってきていた風呂敷包みを解き、全員に冊子を配った。
「ぎんがえいゆうでんせつ…?」
「ぎんがってなんだ?甘いのか?」
「訳のわからないものは斬る」
信玄と謙信が冊子を手にしてそれぞれ言う。
「信玄様、銀河は食べられませんし、謙信様もその冊子、俺が書いたんで簡単に斬らないでください。一冊一冊手書きなので修復が大変です」
佐助が二人に真顔で話す。
「銀河英雄伝説。遠い遠い更に遠い未来の話です。ハロウィンの催しに、みんなでお芝居しましょう」
佐助は全員に提案する。
「…どうしてこの面々で芝居をしなきゃなんないの?」
家康からの質問に、感無量の表情をした佐助が答える。
「いやあ、さすが家康公。良い質問です。普段、皆さん、舞さんに楽しみや癒しをもらっているのではありませんか?なのでお礼として、芝居をして、舞さんに楽しんでもらいましょう」
舞の名を出されると、皆、弱い。
「じゃあ、台詞の練習から始めましょう」
佐助がぱらりと台本をめくり、皆、言いたい事をぐっとこらえ、自分の配役を確認し、読み合わせに早速入った。