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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第205章 恋の楽しみは後で。 ― 佐助&姫 ―


俺は触れている舞さんの唇の柔らかさを指先で味わいながら言った。

「俺はきみの笑顔が好きだ。確かにここに来たばかりのきみは表情も暗くて、戦国でやっていけるのか心配だった。でもそのうち安土の武将たちと仲良くなって、むしろ俺は残念だったよ。きみに笑顔を取り戻すのは、俺でありたかったって。その感情がわからなくて突き詰めて…それも知った。」

言葉を区切り、舞さんの頬に唇からすべらせて触れる。

「きみが好きだ。きみの笑顔を守るのは、俺でありたいと思う。駄目だろうか」

目をまんまるくする舞さんは、やがて満面の笑みを浮かべ俺に抱き着いてくる。

「うれし…っ!佐助くん、私も…好き」

柔らかく小さなからだを受け止め、彼女を抱き締める。

「きみは暖かくて柔らかいんだな」

「それ、湯たんぽって言われてるみたいだね」

俺が舞さんを抱き締めた感想を伝えると、舞さんは口をとがらせる。

「ああ、そういうつもりじゃない。いかにきみが可愛いかって事。どこがそう思うかって、一つずつ全部挙げようか?」

「それ、恥ずかしいから言わなくて良いよ。もう佐助くんたら…」

俺の腕の中で笑う舞さんの存在がたまらなく愛おしい。

そしてその存在全てが欲しくなり、俺は顔を近付け「舞さん」と声を掛け、顔を上げた彼女の唇を俺ので塞ぐ。

指で触れた時も柔らかったけれど、今こうして唇同士が合わさると、ますます柔らかさを感じるよ。
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