<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第204章 Change root ― 佐助&謙信 ―
「よし、息を吹き返したな」
俺は男性のからだを見て、致命傷になるような傷がないか確かめるが、大きな怪我はしてなかった。
「…ここ…は…」
ようやく男性が目を開けた。
「気が付きましたか?戦場で倒れてました」
うっすら開けた男性の瞳は、片目が緑で片目が青の、見た事がないオッドアイだった。
思わず見惚れていると、しばらくして男性が状況を理解したのか話し掛けてくるが、その体力の回復の早さに現代人と違うな、と驚く。
「急に心の臓がおかしくなって動けなくなったのだが…おまえが俺を助けたのか?」
「たぶんそうだと思います。戦場の真っただ中に倒れていた貴方をここへ運びました」
男性はゆっくりと首を動かし、自分がどこに居るのか判断した。
「戦場からあまり離れてはおらぬな」
「そうですね。俺一人ではこの辺りへ運ぶのがやっとでしたから」
「そうか…おまえ、名は?」
「佐助です」
「佐助か。俺は上杉謙信」
「…上杉…謙信…!」
俺はさすがに驚いた。