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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第203章 めぐり逢う ― 三成&姫 ―


ああ、舞様は、私ではない、他の殿方を愛されているな、と。

「三成くん…どうして…」

「どうしてわかったかって思いますか?舞様、安土城へ行った時の貴女の顔です」

一緒に安土城へ行った時、貴女はあのかたとお話しなさった。

その時の表情に私は気付いたのです。

ああ、この顔は以前の私に見せていたお顔ではないですか…

「舞様、貴女は私ではなく、あのかたを愛してしまったのですね」

「…私のくちからは言えないよ…」

ふい、と横を向いてうつむく舞様の横顔に、髪の毛が少しかかって陰を作り、その陰影が暗さを引き立て美しいと思わせられます。

こんなに美しい舞様を手にいれたと思っていたのですが、その心は私には無くなってあのかたへ向けられてしまっていたのですね。

「離したくありません。ずっと私の隣に居ていただきたい」

私もぎゅっとこぶしを握り、舞様を見つめます。

「…私も…そう出来たらラクだよ…それにもともとはそうだったのだから…」

「今は、違うとおっしゃるのですね」

「…」

答えないのが答えという事です。

「貴女の気持ちは私から遠ざかっている今、一緒に居るのはもう難しいですね」
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