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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第203章 めぐり逢う ― 三成&姫 ―


貴女の顔がいつからか苦し気に見えるようになったのは。



ある夜、私は貴女を自分の胸に抱き締めて口付ける。

今迄なら、私の背中に腕を回し抱き締めてくる貴女の腕が回ってこなくなりました。

「舞様?」

唇を離し、声を掛けます。

「…三成くん、ごめんね、ちょっと今日は疲れていて…」

「…わかりました。無理強いはしたくないので、今日はこのままで」

貴女の全てを自分のものに出来ない夜は残念でしたが、無理強いはしたくありません。

でも、今迄、お疲れになって断れるという事がなかったので、珍しいな、と思う程度でした。

ところがそれ以来、しょっちゅうお疲れでそのままお休みになられる、という事になり、私は本当におからだの具合が悪くなられたのかと心配しました。

「大丈夫だよ、どこも悪くないの、本当にごめんなさい」

気付くと貴女の笑顔があまり見られなくなってました。

さすがに私もおかしいと思い貴女を見ていると、針仕事の途中でふ、と大きなため息をつかれたり、廊下に座って庭をご覧になっている時も、何か違うものを見ていたり、と明らかに様子が違うのに気付きました。

何が原因なのだろう。

貴女を愛する私は気付きました。
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