<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第198章 トランプ ― 姫&信長 ―
「え…一度の説明で理解されたんですか?」
恐る恐る伺うと、信長様は呆れたような表情で言う。
「貴様のほうこそ、一度で理解出来ぬのか?」
内心『普通は出来ないよ』と思いながらも、むにゃむにゃ誤魔化して、さぁやりましょう、とカードをきった。
しゃかしゃかと動かすカードを興味深く見る信長様の前でカードを配り、互いにカードを見る。
よし、スリーカードが出来る、と私は思ってカードを出す。
すると信長様はいきなりフルハウスを出してきた。
「うあっ、フ、フルハウス!?」
思わず変な声をあげてしまった私に、信長様は得意げな表情を見せる。
「これは俺の勝ちか?」
「そ…そうですよ、いきなりフルハウスはすごいです…」
私の言葉に信長様は満足げで、反対に私は負けてなるものかという気にさせられる。
ところが次から次へ、やってもやっても私が何故か負ける。
「どうしてぇぇぇ」
あまりに負けが続くので、突っ伏してうなってしまう。
すると信長様が声を出して笑いながら言った。
「貴様、大うつけだな。貴様は顔に全て出るのだ。その顔を見ていれば、何を出してくるのかある程度予測がつく」