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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第198章 トランプ ― 姫&信長 ―


「で、でもっ、ツーペアかスリーカードか、そんなの区別はつかないでしょう?」

信長様の言葉に言い返すと、あっさりそれもひっくり返される。

「わからなかったら、それより上のかぁどを出せば良い事であろう」

いや、そうですよ、そうですけどね、と内心信長様の洞察力に感心する。



結局一度も勝つ事なくポーカーを終えると、信長様は満足そうに言う。

「これは光秀あたりとやったら面白そうだな」

「光秀さんとですか?」

「ああ、秀吉とやったら貴様より下手な芝居で負けようとするからな。こういうのは狐とやるのがちょうど良い」

はぁ、光秀さんは狐ですか…と突っ込みたいのを我慢する。

それにしても信長様ってば、初めてやったポーカーでこれだけ強かったら、他のトランプゲームも相当強そうだな、と改めて思う。

神経衰弱なんて一度めくったカード、全部覚えてそうだもんなぁ、ああ、これはきっと三成くんもそうだろうな、と内心ここの武将の頭の回転の良さを思い出し、結局自分は相手にならないのかとがっくり肩を落とす。

その私の姿を見て、信長様は声を掛ける。

「貴様は俺たち程出来なくて良いのだ。あまりに頭のキレるおんなは、この時代では忍びになるくらいしか能力の使い道がないからな。俺は貴様が頭のキレるおんなだとしたら忍びにしなくてはならないし、俺は貴様を忍びにはしたくない。だから今のままで良い」

なんか慰められたのかよくわからないけれど、信長様は私は変わらなくて良い、と言うので今のまま向き合っていこうと思う。

という事でまた何か勝負をしましょうね、信長様。


<終>
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