<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第193章 改めての告白 ― 政宗&姫 ―
政宗はわざとそんな事を言い、立ち上がると飾り棚へ足を向け、何やら持ち出して戻る。
「舞、今日は何日だ?」
唐突に聞かれた問いに口をとがらせていた事も忘れる舞。
「えーと、弥生十四日…あ…」
気付いて小さく声をあげる舞に、政宗は飾り棚から持ってきたものを舞の手に乗せた。
「ほわいとでーとか言う日だろ、今日は」
手に乗せられたものは、高価そうな花のかんざしだった。
「…政宗、これ、もしかして…」
「おう、ばれんたいんの返しだよ。今、着けてくれるか?」
政宗が期待に満ちた眼差しで舞を見る。
「うん…ちょっと、待って…」
慌てて舞は髪をざっとまとめ、その部分にかんざしを挿した。
「どうかな…?」
鏡がないから髪の毛がちゃんとまとめられているか、かんざしの位置がおかしくないかわからないけれど、政宗はにっと笑って似合っていると喜んでくれる。
「やっぱりおまえ、何を身に着けても似合うな」
「そんな…政宗の見立てが良いんだよ、ありがとう、大切にするね」
笑顔になる舞を政宗は引き寄せ、自分の胸に舞を抱き締める。