<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第193章 改めての告白 ― 政宗&姫 ―
「政宗、お待たせ」
お盆にお茶とお菓子の皿を乗せたものを手にし、舞は政宗の部屋に入る。
襖を開けながら、中で執務中の政宗へ声を掛けると、ちょうど政宗は文を書き終えたらしく、文を折っているところだった。
「お、ちょうど書き終えて休みたいところだったんだ。ありがとう」
部屋へ入った舞は政宗の近くへ座り、茶を注いで湯呑を渡した。
「へぇ。茶の淹れ方、うまくなったな」
一口すすった政宗が舞を見て褒めると、舞は笑みを浮かべる。
「わぁ、本当?良かったよ、政宗に淹れたお茶が美味しいって思ってもらえて」
政宗は湯呑を文机に置いて、ずいっとからだを舞のほうへ近付けて言った。
「俺は茶も良いけれど、舞が美味いほうが嬉しいけどな」
「えぇ…えっと…」
政宗の言葉に舞は返せず口ごもり、それを見た政宗は笑う。
「おまえ、本当に面白いな。すぐ顔に出るし、俺の言った事を真面目に返そうとして」
「えっ…じゃあ今のは冗談だったんだ」
舞は口を少しとがらせて、政宗に精一杯の抵抗をする。
「おや、そんな可愛い顔をして、姫にはご機嫌が悪くなってしまったか」