<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第184章 光忠 ― 政宗&姫 ―
俺の飲みっぷりを見た舞は急いで茶の支度をしてくれる。
「ああ、頼む。それにしても…」
「…それにしても?」
俺が途中で言葉を切ったのが気になったようで、繰り返してくる舞。
「茶の淹れ方もうまくなったな、舞」
俺が褒めるとぱあっと嬉しそうな表情を見せる。
「ほんと?政宗から指導してもらったから、美味しいお茶が淹れられるようになったんだもん。そう言ってもらえて嬉しいな」
本当に可愛いやつだな、俺が一言褒めただけでこんなに嬉しそうな顔を見せる。
俺は淹れたての熱い茶をゆっくりと口に含む。
温度も茶葉の量も問題無し、本当に美味く淹れられている。
その横の小皿には、最近舞が気に入っている茶屋のまんじゅう。
「わざわざ買ってきたのか?これ、おまえが気に入ってる茶屋の菓子だろう?」
俺が聞くと舞は「そう」と答える。
俺は小皿を手にし、まんじゅうを食べる。
「うん、おまえが気に入るだけあって美味いまんじゅうだな」
「政宗のくちに合って良かったよ」
ほっとする舞に俺は苦笑して言う。
「おいおい、いくら俺が美味いものを作るからって、そんなに味にうるさくないぞ」