<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第184章 光忠 ― 政宗&姫 ―
「行くぞ、光忠」
俺の言葉に反応するように、俺の刀は光を受けてギラリと刀身と煌めかせる。
目の前の敵を斬り捨てる。
俺のちからを存分に受け、その敵の血吹雪を撒き散らし、俺は縦横無尽に光忠を暴れさせる。
戦が終わり、刀についた人の血脂を落とし、手入れをする。
「政宗、忙しいところ、ごめん」
襖の外側から舞の声がし、すらりと襖が開くと茶を持った舞が入ってきた。
俺が刀の手入れをしていて話せないのに気付く舞。
「あ…刀の手入れ中だったんだね。ここで待っていて良い?」
当然待ってくれているのは構わないので、俺はそのまま頷いて手入れを続ける。
「待たせたな」
手入れが終わり、静かに待っていた舞に声を掛ける。
「ううん、お茶が冷めちゃったから代えてこようか」
「いや、良い。喉が渇いたところだった」
俺は目の前に置かれた湯呑を手にすると、ごくりと冷めた茶を飲み干した。
「お代わり、用意するね」