<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第17章 東大寺 ― 姫&安土城武将 ―
「何がダメなんだよ?」
政宗のいたずらっぽく笑う顔が、かっこよすぎて…ズルいよ。
「あのー桃色の空気出すの、今は止めてもらえませんか?」
すぐ後ろからぶっきらぼうな白けた声が聞こえる。
「家康…ごめんっ…」
家康がそっぽを向いたまま、すぐ側に立っていた。
「政宗様と舞様はお仲がよろしいのですね」
無邪気に言うのは、家康のすぐ後ろに立っている三成くん。
思い切り見られてたのね、って政宗、もしかして、二人がいるの、知ってた?
「おう、知ってた。でも別に良いだろ」
「!!もう、人前では止めてよ」
私が慌てて言うけれど、政宗は平然とした状態のまま肩をちょっとすくめる。
「ふーん、人前でなければ良いんだ」
「あ、えーと、そういう事ではなくて…」
「なに、やってんだか」
家康の呆れた声が間に入る。
「うらやましいのですか?家康様?」
三成くんの余計な一言に家康は噛みつく。
「誰がうらやんでるんだよ。おまえ、本当にうざい」
家康に言われた事も右から左へ流し、にこにこしている三成くん。
だ…大丈夫かな…この二人?