<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第171章 いつもとちがう、あなた ― 姫&蘭丸 ―
私の淹れたお茶を嬉しそうに受け取った蘭丸くんは、早速お茶を一口すする。
「香りもよくて美味しい。このお茶は秀吉様がきっと選んだんだね」
「えー、すごい、よくわかるね。そうだよ、秀吉さんが選んでくれたの」
私が蘭丸くんの細かい事を見る事に長けているな、とぼんやり思っていると、また私の顔を蘭丸くんに覗かれた。
「舞様、また俺の事見て…顔がどうかした?」
ずいと近付かれ、思わず後ろにからだをずらそうとしたけれど、何故か蘭丸くんの腕に自分のからだを囲まれていた。
「え…蘭丸…くん?」
驚いて蘭丸くんを見ると、すぐ近くの蘭丸くんの顔は笑っていなくて、真剣な表情で私を見つめていた。
「ねぇ…舞様…俺のこと、好き?」
至近距離で見つめられ、こんな事を聞かれたら、どう答えていいのかわからない。
「嫌い、じゃ、ないよ…」
じっと見つめられ、心臓が苦しくなって、やっと答える。
「じゃあ、好きって思ってくれる…?」
いつもと違う蘭丸くんの様子に、私の心臓はばくばくと鼓動を繰り返す。
「なんか…いつもの蘭丸くんと違うね」
慌てて笑いにまぎらわせて言うと、蘭丸くんに抱き締められた。
「俺は舞様の事、好きだよ。おとことして…」