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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第171章 いつもとちがう、あなた ― 姫&蘭丸 ―


「舞様、これ、一緒に食べない?」

安土城の廊下で後ろから声を掛けられ振り向くと、満面の笑みを浮かべた蘭丸くんがお皿に置いた団子を手にしていた。

「わぁ、お団子」

私が嬉しそうな声をあげたので、蘭丸くんもにっこりする。

「最近見付けた新しい茶屋のお団子なんだけど、すごく美味しくて毎日お客が途切れる事がないんだよ」

「へぇ、そんな美味しいお店のお団子なんだ、食べるの楽しみ!入って、蘭丸くん、お茶を用意するね」

私は部屋へ蘭丸くんを誘うと、男の子にしては美しい笑みを浮かべ、私の部屋へ入ってきた。

その綺麗にあがった口角の唇に見惚れ、一瞬、自分の行動が遅れる。

「どうしたの?舞様?」

蘭丸くんが不思議そうに私の顔を覗き込むので、私は慌てて顔の前で自分の片手をばたばたと振り、なんでもないと言った。

「ご、ごめん、なんでもないよ。あ、お茶用意するって言ったね」

急いで茶器を用意し、二人分のお茶を用意すると、蘭丸くんも重ねたお皿にお団子を移し、一枚を私にくれた。

「どうぞ、舞様」

「ありがとう、蘭丸くん。はい、お茶をどうぞ」
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