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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第169章 ひとりよがり ― 蘭丸&姫 ―


「何かな?どうぞ」

舞様はにっこりして問い返したので、俺は先程聞いた事を改めて聞いた。

「政宗様と家康様が話しているのを聞いたんだ。舞様は武将たちの閨の相手を自らしているって」

俺の言葉に舞様は笑顔のまま無言になり、ゆっくりと口を開いて事実だと答えた。

「せっかく歴史に名を残す戦国武将と一緒にいるんだもの、強い人たちのDNAが欲しいのは当然よ。どなたも本当に良かったけれど、政宗は床上手で気を失う程楽しんだわね」

「俺との事を秘密にって、それはどういう事なの…」

俺の事を聞くと、舞様はそれまでと印象の違う冷たい笑みを浮かべた。

「言いたくないけれど、蘭丸くん、貴方下手なの。自分よがりで自分が良ければ相手も良い、と思い込んでるでしょう。だから私足りないの。それで他の武将たちと寝てみたら、こっちが倒れるくらい良くて、そうなるともっと抱いて欲しくてたまらないわ」

うっとりとその様子を回想している舞様は、何とも言えないくらい色っぽい。

だけれど、俺は下手で舞様は物足りないって事を告げられ、俺は後頭部を殴られたような衝撃を受ける。

だから、俺との事は秘密にしようってことなのか。

俺はあれこれ言いたい言葉を我慢して、舞様に言う。

「そう…わかったよ、俺は下手で舞を満足させられなかったんだね。だから俺との事は秘密にして、他のかたと寝て楽しんでたんだ…物足りなくてごめんね、舞様」

そうか…喜んでいたのは自分だけ、お互い愛していると思っていたのも一人よがりだったんだ。
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