<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第169章 ひとりよがり ― 蘭丸&姫 ―
「あいつ、思った以上に悪女だな。ここの武将全員を相手にするつもりか?」
いったいどういう事?政宗様の言葉を更に聞きつつ、俺は衝撃でいっぱいだった。
「政宗さんから聞いていたけれど、事実を知る迄そうだとは思いませんでしたよ。でも確かに言われる通り、すごいからだだったのは認めますよ」
え?え?政宗様や家康様とも舞様は褥を共にされた、という事?
「そうだろ?あんなに貪欲におとこを求め、見た目と違う姿で淫らに喘ぐ。自分が全て絞り取られる程達しているのに、でもそれでも何度も抱きたくなる。あの吸い付くような感じは、他のおんなでは体感出来ないだろう?信長様も感心していらしたくらいだよな」
「政宗さんがそう言うなら、そうなのかもしれませんね…ああ、確かに寝癖ついてるやつも、『すごかった、また抱きたい』と手ェ叩いて喜んでいたし、秀吉さんや光秀さんもはっきり言わないけれど、良かったような言い方していたな」
この言い方だと完全にそうだし、信長様と三成様も同じって事?
それに、秀吉様や光秀様もこの分だと、既に相手になっているって感じだ…
俺は目の前がぐるぐるとなって、その場で座りこみそうになるのを必死に押しとどめ、夜になって舞様のところへ行こうと決める。
「舞様、良いですか?」
「蘭丸くん?どうぞ」
障子を開けると縫物をしていたらしい舞様がこちらを見て微笑む。
「蘭丸くん、いらっしゃい。お茶、どうぞ」
そして縫物を止めて、俺に香りたつお茶を淹れてくれた。
「お茶ありがとう…じゃなくて聞きたい事があるのだけど」