<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第166章 囁く愛の言葉 ― 三成&姫 ―
「フランスという異国があるのですね。歌われていたのは…」
「『甘い囁き』。甘味みたいに甘い言葉で私を酔わせようとしても、もう私は貴方の言葉に流されないわって歌なんだよ」
「ほう…甘味みたいに…では、私が舞様を酔わせる甘い言葉は、どういった事を言えば良いのでしょう」
私が真顔で聞いたので、舞様は目をぱちくりさせ、そして、赤くなる。
「え…いや、えーと…三成くんからは、何を言われても甘くなるんだけど…」
私の言葉は何でも甘くなる?
反対に私が今度は目をぱちくりさせる。
「何でも、という事ですが、そうでしょうか?戦術書についてお話しをしても、甘くなりますか?」
私の問いに舞様は益々目をぱちくりさせつつ、そしてしまいに笑いました。
「…もう、やだぁ、三成くん。戦術書はさすがに甘くならないでしょう。私が言ってるのは…」
「そこまで。わかりますよ」
私はぴたりと舞様の唇を、私の人差し指でそれ以上言わせないよう、閉ざします。
舞様の顔の近くへ自分の顔を寄せ、耳元でそっと囁きました。
「こういう事でしょう?舞様、愛してます…貴女を今すぐ独り占めしたい」
「…みつっ…ずるい…」
私の言葉に、舞様の顔は赤く染まり、私を可愛く睨んできます。
「いけませんか…?」