<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第159章 熱をはらむ ― 秀吉&姫 ―
けらけらと笑う舞の姿に、全く自分が魅力的なおんなである事をわかっていない、と俺は内心ため息をつく。
「まさか、じゃない。おまえは自分が思っている以上に、おとこを引き寄せるものを持っている事を自覚しなさい」
「そうかなぁ」
全くわかってないらしく、首を傾げる舞に、俺が耐えられなくなってくる。
「いい加減にわかりなさい」
俺は舞の両肩を掴んでそっと畳に押し倒すと、目を丸くした舞が目に入る。
「ひで、よし、さん…」
驚いた舞の声は、しかしながら、ほんのり甘さを含んだように聞こえるのは気のせいだろうか?
俺は無言で衿を更に広げると、舞は恥ずかしそうに顔を赤くして俺を見上げるが、その顔は嫌という顔ではなく、何かを期待するような、俺からすれば可愛いものだった。
「なんてぇ顔しているんだ、舞。他のおとこには見せられないな」
「…秀吉さん…どうして、こう、なるの…」
唇を噛みしめるように俺を恨めし気に見上げる舞に、俺は優しく言う。
「嫌か…でもそういう顔はしてないな…それに、俺も熱いが、おまえの肌も熱いな…」
「嫌、じゃない、けど…唐突だよね…」
俺が広げた肩に唇を寄せ、痕をつけていくと、舞は大きく甘い吐息をつく。
ああ、可愛いな、舞、俺にもっと熱い姿を見せてくれ。