<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第149章 これからの時 ― 光秀&姫 ―
途端、嫌そうな顔を舞はするが、仕方なく白状する。
「えーと、ちょっと御礼に作ろうと思っているものがあって…それで…」
「作るのはおまえの勝手だが、どうして俺の肩で測る?測りたい本人の肩で測ればいいだろう?」
俺の言に目をぱちぱちする舞。
「…私が作るのは、光秀さんへのもの、なのですけれど…」
「俺?俺がおまえに何かしたか?」
俺は何故舞から礼をされるのか、さっぱり理由がわからない。
「あ、この間、私が顕如さんに掴まった時、佐助くんが助けてくれましたけれど、でも、光秀さんも連携してくれたって聞きました」
「ではあの忍びに礼をすればよかろう?」
「あ、佐助くんにはもう作って渡しているんです」
「俺はたいした事はしていないから、わざわざ礼をしてもらう程ではない」
「そう、ですか…わかりました…」
「待て、舞」
しょぼくれて戻ろうとする舞に再度声を掛け、俺は腕を掴んで目の前の空いている部屋へ舞を連れ込む。
「礼ならおまえで良い」
「え…?」