<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第149章 これからの時 ― 光秀&姫 ―
「光秀さん」
舞が声を掛けてきて、俺は振り向いた。
軍議が終わり、俺は自分の御殿へ戻ろうと、廊下を歩き出してしばらくしてからの事だった、
「なんだ、舞。俺に意地悪されたいのか?」
俺がわざと言った事にも素直に反応するから面白い。
「え、ちょ…それは…意地悪はいりません…」
「それより、何の用だ?」
俺は自分のからだで舞を覆うようにし、壁際に追いこんで問う。
「すみません、ちょっと測らせてください」
背中に隠していた長い物差しを舞は取り出し、俺の肩へびとっと当てる。
「う…ん。よし、わかった、と。光秀さん、ありがとうございました」
舞は物差しを持って、俺の腕をほどき、去ろうとするが俺は呼び止める。
「おい、一体、何を作るのだ?」
俺の問いに『しまった』と言った顔をする舞。
俺は舞に近寄り、腕を掴んでにやりと笑う。
「一体何をしようとしている?教えろ、そうでなければ仕置きをするが?」
「え、仕置き…っ…て…」