<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第143章 淡い恋 ― 三成&姫 ―
「勿論ですよ、私も是非舞様にお願いしたいと思ってます」
私が急いで答えると、舞様は美しく微笑まれました。
「良かった。絶対だよ?」
「はい、お約束します。そうだ、こういう約束を、未来では何かしたりするのですか?」
私の言に、舞様は一瞬きょとんとされてから答えられました。
「ゆびきりげんまん、かなぁ?」
「ゆびきり…?」
「うん、こうして、ね…」
舞様は私に片手を出すように言い、私の小指とご自分の小指を絡ませました。
私が驚いて目を見張ると、ふふ、と笑みを浮かべた舞様は言います。
「ゆびきりげんまん、嘘ついたら針千本飲ます」
言って、小指と小指が離れました。
「今のが未来での約束の仕方ですか?針千本飲ませるとは怖いですね」
私のあまりに真剣な顔に、舞様は笑いました。
「いやだ、実際はやらないよ。あくまで建て前だってば」
「本当の事かと思って、驚きました。」
笑う舞様の愛らしい姿に、私は自分の心の臓の音が高鳴るような気分になりました。
私が全く知らなかった、知り得なかった、知る必要のなかった、恋という感情。