<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第142章 膝枕 ― 秀吉&姫 ―
「悪いな」
そう言って寝転がり、頭を舞の膝の上に乗せる。
舞の細い指が、俺の髪の毛を梳き、俺は目を開けて舞の顔を見た。
柔らかい笑みを湛えたままの舞が俺を見下していて、指がそのまま何度も俺の髪の毛を梳いていた。
「あ、髪の毛触ったら邪魔?」
俺が目を開けたので、目をぱちくりさせて舞が聞いてきたので、俺は笑って言った。
「いや…こうされると気持ち良いものだな…ありがとな、舞」
「ううん、秀吉さんの疲れが少しでも取れるなら何でもするよ」
「ありがとう…」
目をつむり、少しの間だろうけれど、舞の膝の柔らかさと髪の毛に触れられている心地よさに、眠りにつけたようだった。
「…起きた、秀吉さん?」
声を掛けてきた舞に何だかいつもと違う枕の感触に、手を伸ばして枕に触れる。
「ちょ…変なとこ、触らないで…」
変なところ?俺は更に枕に触れ、ようやく枕にしては柔らかくて温かい事に気付き、頭がはっきりしてきたところで、舞のももに触れている事に気が付いた。
「あ、ああ…悪かった…枕だと思ってつい…」
ようように目を開けて舞の顔を見上げると、赤くなってこっちを見下している。
その顔は何とも色っぽくて、俺はどこに触れてしまったのだろうか、と考える。