<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第14章 君の想い ― 佐助&姫 ―
デザイナー志望だったと聞いていたから、舞さんにはぴったりの仕事だな。
「着物と洋服って同じ?」
「ううん、やっぱり違うよ。でも教えてもらって、私の知ってるやりかたを取り入れたりして、着物を作るのって楽しいよ」
そうか、良かった。君の心からの笑顔は何よりだ。
「それでね…」
舞さんはしゃべりを途中で止めて、文机の上の箱から何かを取り出す。
「これ、佐助くんに。いつも危険な中、私のところに来てくれるでしょう?」
俺に、と、くれたのは、手作りのお守り。
「俺に作ってくれたの?」
こくりと頷く舞さん。
「ありがとう、本当に嬉しいよ」
お守りを袖口から中に入れて落とさないようにしまう。
「本当は…私も佐助くんと一緒に春日山へ行きたい…」
寂しそうな顔を途端にする舞さん。
「佐助くんと一緒に居たいんだよね…」
俺は言われた事に理解が追い付かない。
それはどういう事、だ?
「舞さん…」