<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第14章 君の想い ― 佐助&姫 ―
「あれ?違う?」
すっとんきょうな声を上げて、舞さんは俺を見た。
「何か、違う?」
「え…と、なんかいつもと佐助くんの雰囲気が違うよ?」
「そう?いつもと同じだけどね」
実は舞さんが鋭い。
髪の毛の分け目をほんの少し、いつもとずらしたんだ。
そんなごく小さい事に気付くなんて、俺の事を想っているのか、なんてうぬぼれてしまう。
舞さんにはたいした事でもないのに。
舞さんは首をかしげながら、俺にお茶を淹れてくれた。
「はい、どうぞ」
「ありがとう」
伊達政宗さんから指導を受けたそうで、お茶が抜群に美味しい。
「最近はどうしてる?」
俺から聞いてみる。
天井裏から覗いているから、実はお針子の仕事をしているのは知っているけどね。
「うん、お針子の仕事をもらえてね、着物を縫う事を覚えてるところ」