<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第115章 表裏一体 ― 姫&三成 ―
「え…政宗、青葉城へ戻ってしまうの?ずっと安土に居る訳ではないの?」
「当然だろう?今は安土も落ち着いてるし…家康も戻るぞ」
「家康も帰ってしまうんだ」
「家康だけじゃない、光秀も近いが自分の城を持って居るから戻るだろうな。
三成だって佐和山に城をもらっているんだ、そろそろ戻ると話しが出てないのか?」
「ううん、聞いてないよ…戻らないのかな」
私は武将達がいなくなってしまう事に気を取られてしまっていた。
こういう事も、もう出来ない…私は三成くんを選んだままで良いの?
それとも政宗について行く?
愛しているのは三成くん、だけど、からだは政宗を求めている。
私の揺れる気持ちに気付いたのか、政宗は私に覆いかぶさり、蒼い瞳をじっとこちらに向けて、私だけを映して言った。
「俺と一緒に青葉城へ行くか?」
その時政宗からとんでもない事を言われた。
「俺達の事、三成は知っているぞ」
「…どう、いう、こと…?」
私は顔から血の気が引くのを感じる。
「少し前に三成が俺に用があってここに来た時、おまえが来ていてお楽しみ中だったのさ。
その最中を三成に聞かれて、後でそれを聞かれたから、俺は正直に答えただけだ」
<(後編)に続く>