<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第107章 言葉より態度で ― 三成&姫 ―
私は舞様と二人きりになれるかと思うと、心が少しふわりと浮くような感覚を覚えました。
書庫へ行くと、政宗様が本をお探しでいらっしゃいました。
「あ、三成、戦術書で武田と上杉の戦いを詳細に記したもの、ここにあるか?」
成程、政宗様は勉強熱心でいらっしゃる。
「それならこれですね」
私は持っていた本をその場に置き、その山を崩し、中に混じっていた本を取り出し政宗様に渡した。
「こちらです」
「三成はもう読んでいたのか、さすがだな。俺も少し研究しよう」
借りていく、と政宗様はおっしゃって、書庫を去って行かれました。
入れ替わりに舞様がいらっしゃいました。
「あれ?さっきの本の山、崩しちゃったの?」
「いえ、ちょうど政宗様がいらっしゃって、私の読んだ本でお探しのものがありましたので、お渡ししたのです」
「へぇ、そうなんだ。どんな本なの?」
舞様は崩れた本の山を集めながら、先程の本の内容を質問されました。
「武田軍と上杉軍の戦いを詳細に記した戦術書です」
「武田軍と上杉軍の戦い…」