<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第10章 夢 ― 光秀&姫 ―
こっちだ、と城の中を歩き、誰も居ない部屋へ入る。
「ここ、ですか?」
不思議そうな顔をする舞。
部屋の襖を閉めた途端、俺は舞を抱き締め、そのまま一緒に倒れこむ。
「…みつ、ひで、さん!」
くるりと回って、舞の背中を畳に付け、俺の両腕で舞の頭を囲って見下ろす。
赤くなって俺の視線を外そうと、身を捩る舞。
「むやみに男についていくものではないだろう?危機感が無さすぎる」
「で、でもっ、光秀さんが繕い物をって…」
間近で顔を突き合わせて、舞は目線をあちらこちらに泳がせるのが面白い。
「だまされるほうが、悪い」
俺は舞の耳元でそう、優しく、低く、囁く。
「…っ!」
舞のか細い息が漏れる。
良い反応だ。
「良い声で啼くんだな、舞は」
そのまま耳元で囁いて、耳たぶをかぷりと甘噛みする。
「ん…ぁ…やめ、て」