• テキストサイズ

<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第85章 ふたたび ― 姫&義元 ―


「これ、良いんじゃない?」

舞は義元の審美眼に驚く。

確かに自分だったらこの反物は選ばなかった。

義元に頼んだ人の人となりを説明しただけで、その人に合うものを選んでしまった。

「義元さん、すごいですね。ありがとうございました」

舞は反物を選んでもらって、感嘆の声をあげる。

「ん?ああ、俺は綺麗なものが好きだからね」

舞は義元に言う。

「反物を選んでくださった御礼をしたいのですけれど、お団子食べに行きませんか?」

義元はふ、と少し唇を動かしただけの笑みを浮かべ、いいよ、と返事をした。

二人は茶屋に入り、団子と茶を頼んだ。

「舞、きみ、この後予定何かあるの?」

義元からの問いに舞は首を傾げる。

「いえ、特に急ぎの用はありませんけれど」

「じゃ、母上がきみに会いたがってるんだ。この後また来てくれないかな」

「寿桂尼様がですか?私で良ければ喜んで」

舞は寿桂尼にまた会えるとは思えなかったので、義元からの誘いに驚き、でも嬉しそうに答えた。
/ 944ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp