<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第71章 誓い ― 顕如&姫 ―
そんな可愛らしい事を言われたら、私は舞に私の全てをぶつけたくなってしまう。
今日はいつもと違う、恵比寿の個室付きのレストランを予約しておいた。
表参道の常に使う店より高級感が有り、舞はきょときょとと、不安げな表情をしていた。
「…どうした?」
「これだけ高級なお店は初めてで…緊張します」
「個室で予約をしているし、気にする事はない」
私は初心な舞をエスコートしながら店内に入り、名を告げ、個室へ案内された。
メニューを見てコースとワインを注文し、ウエイターが下がったところで、私は舞にホワイトデーのお返しとして選んだピアスをプレゼントした。
ヴァンクリーフ&アーペルの四つ葉型のピアスは、私にはよくわからず、女性店員に相談して選んだものだ。
『きっとこれなら彼女さんもお喜びになりますよ』
「わぁ!顕如さん、素敵!ありがとうございます、早速付けますね!」
女性店員の言う通り、舞は喜んで早速付けてくれた。
耳たぶで輝く品の良いパールの四つ葉型のピアスは、舞によく似合い、私は気付いたら舞の頬を撫でていた。
「とても似会っている。これにして良かった」
「はい、顕如さん、ありがとうございます。ピアス、大切にしますね」
無欲な舞は、一つのものを大切にする性格で、そんな慎ましやかな性格も私は気に入っている。