<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第71章 誓い ― 顕如&姫 ―
3月14日はホワイトデー。
私は舞へのお返しの品を用意し、待ち合わせへの場所へ急いでいる。
舞は自覚が無いが自社からも私の職場でも人気のある女性で、それが何故彼女が私を選んだのか、七不思議のひとつに挙げられるほどになってしまっているのを、私は知っている。
私の会社の社長である信玄すら、首を傾げている。
「どうして舞は顕如を選んだんだろうなー不思議だなー選ぶなら俺を選んだほうが絶対良いのになー」
舞の会社の若いおとこ達もやっぱり首を傾げている、と信玄から聞いた。
「なんで俺達じゃなくて顕如さんなんだろうなー」
「そうですね、でも舞さんが選ばれた顕如さんは、素晴らしいかたなんでしょうね」
真田幸村には首を傾げられたが、石田三成からは何故か擁護された。
私が待ち合わせ場所に到着すると、既に舞は待っていた。
「顕如さん!」
私を見つけて、嬉しそうに微笑む舞は本当に愛おしい。
「いつも待たせてしまってすまないな」
私は常に待たせてしまっている事を詫びるが、舞は笑顔のまま私に言う。
「気にしないでください。顕如さんは忙しいのだから、会ってくれるだけで嬉しいんです」