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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第65章 嫉妬から恋が始まる ― 蘭丸&姫 ―


「なんだか、しっぽに焼けちゃうな」

俺はつい、言葉にするつもりのなかった本音を漏らしてしまった。

「え…」

しっぽの背中を撫でていた舞さんの手が止まった。

俺はええい、ままよ、と本音をこぼす。

「しっぽは舞さんに撫でてもらって良いな、って言ったんだ」

しっぽは撫でてもらっていた手が止まったので、丸い目を舞さんのほうに向ける。

その舞さんは、俺の言葉に動揺して、顔は赤くなっていたんだ。

「蘭丸、くん…冗談にも、程があるよ…」

しどろもどろになる舞さんに、もしかして、これは俺に脈有り?と感ずる。

俺は舞さんに一歩近寄り、しっぽに声を掛けると、しっぽは俺の衿元に隠れる。

「舞さん」

俺は舞さんの手を握り、その手の甲にそっと口付けする。

「ら…蘭丸、くん…」

はっきりと舞さんの手が熱を持ち、その熱が俺にも伝ってきた。

「…ま、きみともう少し一緒に居たいってのもあるんだけど」

俺は言葉を一度区切ってから、笑みを浮かべて続けた。

「俺はきみが、好き、なんだ」
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