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<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹

第65章 嫉妬から恋が始まる ― 蘭丸&姫 ―


俺の告白に舞さんの手は更に熱を感じ、でも反対側の舞さんの手が、俺の手を包み、今度は舞さんが俺の手の甲に口付けした。

「…!」

「私も、蘭丸くんが、好き、みたい…」

舞さん、なんてきみは可愛いんだろう。

俺は素直な舞さんを近寄せ、しっぽがきゅう、と衿から出て肩に飛び上がるのを認めてから、舞さんを抱き締めた。

「らん、まる、くん…」

うっとりした声で舞さんが俺を呼ぶ。

黙って、と俺の人差し指は舞さんの唇を押さえる。

上気した舞さんの顔は、とろりとした眼差しを醸し出し、色っぽくてたまらない。

そんな顔をみたら、誰だってきっと舞さんを独り占めしたくなるよ。

勿論、俺だってその一人。

「しっぽ、悪いけれどちょっと木のところで待っててくれる?」

さすがに情事にまでしっぽを連れて行く気はないからね、しっぽに声を掛けると、しっぽは大人しく出てきて、近くの木に登り、枝の元に座り込んだ。

「ごめんね、用が終わったら呼ぶから、大人しくそこで待ってて」

きゅう、としっぽは一声鳴いて、その場で丸くなった。

俺は舞さんの手を握り、目の前の部屋に入り、舞さんをきつく抱き締めた。

嫌だって言っても離さないよ、今のきみは俺のものだから。


<終>
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