<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第49章 愛を導く ― 三成&姫 ―
ああ、走らなくても、良いのです、転んだら…
私が思う間もなく、私の目の前で転びそうになり、私は慌てて舞様のからだをお支えしました。
お助けした舞様のからだは柔らかく、ふわんと甘い香りがしました。
私は心の臓が大きく跳ねたように感じ、舞様を離す事が出来ませんでした。
「…三成くん?ありがとう。もう大丈夫だよ」
ずっと支えたままの私に、舞様はもう大丈夫とお声掛けくださいました。
離したくない、離れたくない、この時、はっきりと自分の心の声に気付きました。
この手を離さなかったら、どうなるのか。
きっと私は、もっともっと、と舞様を攻め込んで、眠らせず愛してしまうと思います。
私の愛は罪深いのです。
本当は心の中で、舞様を襲い、自分のものにし、全てを奪い尽くしているのです。
「…三成くん?」
「…っ、し、失礼しました…っ」
舞様に顔を覗き込まれ、さすがにおからだを離しました。
「今日はどちらへ御用でしょうか?」
私はお買い物の荷物持ちでもやるのかと思ってましたが、意に反して、途中でお団子を買い、湖のほとりへやって参りました。
「天気が良いから水が反射して綺麗だね!」