<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第49章 愛を導く ― 三成&姫 ―
舞様は眩しいかたです。
いつも笑顔で暖かく、お茶も美味しく淹れてくださるのです。
私は穏やかな舞様にいつしか、心惹かれるものを抱くようになっていました。
「三成くん、今、良いかな?」
「舞様、何でしょうか?」
くるりと私は歩いていた廊下から振り向き、後ろから声を掛けていらした舞様を見ました。
今日も優しい美しい笑顔でいらっしゃいますね。
「お願いがあるのだけど、今日少し空いてるかな?」
「?何でしょう、急ぎの用はありませんので、空けられはしますが…」
「じゃあ、悪いけどちょっと付き合ってもらって良いかな?」
「勿論構いませんよ」
舞様は嬉しそうになさり、私と一刻後に落ちあう事にしました。
待ち合わせは城を出てすぐ近くの橋の辺り。
私は少し早めに出て、橋の欄干で舞様を待ちました。
「…ごめんね、三成くん、待った?」
カタカタと音を立て、舞様が小走りでいらっしゃいました。