<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第43章 縄跳び ― 光秀&姫 ―
「じゃあ、見ててね、これが縄跳びだよ」
縄が回る状態を見て、舞がタタッと走り込み、回る縄の中へ入る。
縄が回るのに合わせ、舞はぴょんぴょんと飛び、こども達は歓声を挙げ拍手をした。
「…縄跳びと言うのか…」
俺は説明されないまま腕を振り、縄を回し続け、そうしながら状況を理解した。
全く先日の『けんけんぱ』といい、今日の縄跳びといい、どこから知識を得たのか。
頭が無いと思っていたが、変なところで聡い小娘だ。
しかし何回も飛んでいたらそのうち足が引っ掛かり、縄を回す手が止まってしまった。
「あーあ、引っ掛かっちゃった」
舞が残念そうに言って縄の側から離れる。
「えーとね、じゃあいきなり今のは難しいから、まず蛇から練習しようね」
蛇?何だ、それは。それに俺がまた付き合わされるのか?
俺の心の声を聞きとったのか、舞は笑顔のままで俺に言う。
「光秀さん、お手伝いありがとうございます」
…勝手に手伝いにされた。
結局、蛇とは縄を地に置いた状態で左右に振るだけのものとわかった。
まずそれで、またいだり、ぴょんと飛ぶ練習をするという。
「光秀さん、まずゆっくり左右に振ってください…まだ早いです、もっとゆっくりです」