<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第43章 縄跳び ― 光秀&姫 ―
俺をこき使うとは良い根性をしているが、こうしてこども達の相手をするのも面白いから、後で舞に仕置きをするとして、とりあえず許してやろう。
「はい、入って飛んで、そう、またいで、飛んで」
ちょっと大きいこどもには一人で練習をさせる。
何度やっても出来ないのもいれば、最初から出来るのもいて、なかなか興味深い。
本当に小さい子には舞が支えながら、縄が立っているところに来た時だけぴょんと飛ばせていた。
「上手に飛べたね」
舞は、こどもの扱いは先日から見ていて思ったが、褒めていてなかなかうまいと思った。
「じゃあ私が回すから、光秀さんもどうぞ?」
「俺も飛ぶのか?」
「勿論です、出来ないですか?」
にこにこしながら俺に出来ないかと言ってきたか。
やってやろう。
縄を回す舞を見やり、俺は測って縄の中へ入り、ぴょんぴょんと飛んだ。
「わぁ、光秀様、上手です!」
「ちゅごいでちゅ」
「本当に初めてなんですか?」
「やっぱり私、光秀様のおよめさまになりたいです」
こども達の歓声を聞きながら、しばらく俺はぴょんぴょん飛んでいた。
その姿を天守にいらした信長様に見られ、後で『光秀が縄跳びとは珍しいな』とからかわれ、一緒に見ていた秀吉に大笑いされたのは後日の話しだが。
舞、仕置きはたっぷりしてやるから、楽しみにしておけ。
<終>