<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第43章 縄跳び ― 光秀&姫 ―
また舞が何をしているんだ?
外を見やると、舞が家臣や女中のこども達を連れて、庭で何やらし出している。
先日、俺は興味を持ったせいで『けんけんぱ』をさせられたからな。
今日は傍観者で居たいものだ。
しかし…木になにやら括り付けている?
俺は仕方なく庭へ降り、舞のいる場所へ近寄る。
よく見ると縄を木に括り付けていた。
「…何をしている?」
声を掛けると舞がこっちを見、ぱあっと顔を綻ばせた。
「光秀さん、いいところに来ました!はい、これ持ってください!」
縄?何故、俺が縄を持つ?
すると満面の笑みを浮かべて舞が言う。
「はい、こうしてください」
木に括り付けた縄と反対側を持たされるが、俺の手を上から握った舞が大きく腕をぐるぐると回し始め、縄がおおきくゆっくり回転し出した。
「…これは何なんだ?」
俺の質問に答えず、舞はこのまま回してくださいね、と言い残し、こども達のほうを向く。