<イケメン戦国ショートストーリー集>戦国の見える蒼穹
第41章 にんじん ― 姫&三成 ―
「はい、私が作りました」
途端、他の武将様がたから、感嘆の声が漏れる。
「へえ、どれどれ、うまそうじゃないか」
声を真っ先に掛けてくれるのは政宗。
さすが別名、戦国の料理人。私のクッキーの作り方にも興味を持ってるみたい。
順々にお茶とクッキーを載せたお盆を配り、最後に三成くん。
「三成くん、どうぞ」
「ありがとうございます、舞様」
さぁ、クッキー食べてくれるかな?
「舞、この菓子、あかっぽいけど、何が入ってるんだ?」
政宗が聞いてきた。
うーん、それ、まだ言えないな、どうしよう。
「えーとね、私の愛です」
仕方なくこう答えたら、一瞬の間を置いて、全員から失笑をかった。
「なんなんだ、舞の愛って…」
「それ、いらないからどうやって返せばいい?」
そんな中、ぱくりとクッキーを口にした三成くんから声が漏れた。
「舞様、なかなか美味しい南蛮菓子ですね」